会長挨拶

第78回日本皮膚科学会西部支部学術大会
会長 今福 信一(福岡大学医学部皮膚科学教室 教授)

このたび、第78回日本皮膚科学会西部支部学術大会を2026年10月31日(土)・11月1日(日)の両日にわたり、福岡市・ホテルニューオータニ博多にて開催することになりました。伝統ある西部支部大会を開催する機会を得ましたことを、皆様に感謝申し上げます。

今回の大会テーマは「よく見る、よく聞く、よく考える」皮膚科学としました。これは私が小学校に入ったときに担任の先生から教わり、教室に貼ってあった言葉です。よく皮疹を見て、よく病歴を聞いて、診断や治療を考えることは皮膚科診療の原点と思われます。また、よく見る=観察することは、自然科学の原点であり、分子や細胞からヒトの臨床、また集団を対象とした研究まで、よくよく見ることで、当たり前の中に新たな事実を発見することもあります。ほんの小さな現象でも、よく見て見つけることは、その現象を起こした背景の法則の発見に繋がることがあると思います。本学会では、是非皆さんが「よく見て」見つけた新しい事実や法則を発表していただき、皆で学び考える機会になればと思っています。

特別講演では私の専門としているヘルペスウイルス研究の第一人者である定岡知彦先生(藤田医科大学ウイルス学)に、VZVの最新のウイルス学について、蜂須賀淳一先生(Neuroscience, University of Glasgow)に最新の痒みと痛みの神経生理について、また前九州大学教授の古江増隆先生にAhRの発見につながるお話をいただきます。また私たち福岡大学が注力している治験や臨床研究についてのシンポジウムを行います。臨床研究・治験の基本、現在西日本地区で行っている乾癬の前向きコホート研究である西日本乾癬レジストリの成果と今後の課題、個人の健康情報(personal health record)を利用したデジタルな臨床研究の未来などについて発表・討論の場になります。また、西部支部での基礎的な研究を取り上げ、若い先生方にその成果を発表してもらうシンポジウムも設けています。その他に乾癬、アトピー性皮膚炎、神経線維腫症I型を中心とした遺伝性皮膚疾患、ウイルス感染症、皮膚病理学などのシンポジウムを企画しています。共通講習Bでは厚労省医政局医事課の和泉誠人先生に、医師の配置のこれからのビジョンや美容医療のあり方についての講演していただきます。

博多は食文化にも恵まれた街です。文化講演は明太子の製造会社「山口油屋福太郎」副社長で著名なグルメライターでもあり、かつ私の大学同級で整形外科医でもある山口智太郎君にお願いしています。博多の風情や味わいも楽しんでいただければ幸いです。また、文化教室としてお香の先生でもある岩本陸子さん(香司つる子)のご指導で実際にお香を作成する教室も開催します。また、写真のコンテストを行います。腕に覚えのある自信作部門(風景、鉄道、鳥、街)などから、スマホでの楽しい写真部門、そして皮膚疾患部門などを設ける予定で、人気作は表彰致します。ホームページでご案内しますので、奮ってご応募ください。

参加されるすべての先生方にとって、日常診療のヒントを得るとともに、久しぶりの再会や新たな出会いが生まれる実りある二日間となることを願っております。多くの皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。